
空力性能と構造の革新
SLC5は、徹底した風洞試験とFEM解析により、各部を見直し空力効率を飛躍的に向上。 軽量性と剛性をそのままに、トップレベルのエアロ性能を実現した、まさに完成されたオールラウンダーです。 特にヘッドチューブは、薄く深いプロファイル設計を採用。 前面投影面積を最小限に抑え、後方へとスムーズな空気の流れを生み出します。 また、横風による乱れを軽減する形状に最適化されており、高速走行時の安定性にも大きく貢献します。

空力と剛性を両立したチューブ設計
ダウンチューブには、気流の付着を維持する切頂翼型デザインを採用。上部は乱流を抑える細身の形状、下部はボトルケージ対応でわずかに広がり、一貫した空気の流れを確保します。また、シートステーは低く・扁平・ワイドに設計され、空気抵抗を減らしながら横剛性も強化。ダンシングでも力を逃さない、高効率なパワー伝達を実現します。
実証データと解析技術
SLC5は日本の富士エアロパフォーマンスセンターで風洞試験を実施。 従来モデルSLC3よりCdAを0.011低減し、48km/h走行時に約16.5ワットの出力削減を達成しました。 この差は、時速65kmでのスプリントなら約2.3m先にゴールする計算。 わずかな差が勝敗を分けるレースで、決定的なアドバンテージとなります。


ウィンスペースでは、単発の好成績だけを取り上げるようなアプローチは取りません。 CFD(数値流体解析)を取り入れ、設計の妥当性を綿密に検証。さらに、英国・シルバーストーンでの風洞条件とも照合することで、複数の環境・視点からデータを検証しています。 私たちが重視するのは、「実際の走行に近い形での再現性」。 机上の理論にとどまらず、現実のレースやライドに直結する性能評価を徹底しています。
全域対応型のレーシングバイク
SLC5は、SLC3と同様にヘッドとBBの剛性を重視した設計で、ダンシングでもスプリントでも一切のパワーロスを感じさせない走りの「芯」を実現しました。 一方で、フロントトレイルなどのジオメトリー設計により、ピーキーにならず、直進安定性と安心感をしっかりと確保。 剛性の高さがライダーを支える、全域対応型のレーシングバイクです。


カーボンレイアップ
SLC5では、東レのT1100・T800・M46・M65の4種類の高性能カーボンを使用し、フレームを7つのゾーンに分けて最適にレイアップ。 FEM解析(有限要素法)により、剛性が必要な部位と、しなりが求められる部位を数値的に設計。 BBやヘッドチューブまわりには高剛性素材を集中させ、スプリントやダンシング時の力を逃さず推進力に変換。 リアトライアングルには快適性を重視した素材を使い、剛性と乗り心地のバランスを両立しています。
